2021/10/22
この記事を書いた人
SENJYUプロフェッショナルチーム
「店舗を持たない美容室」をコンセプトに、特定の店舗に所属しない美容師たちが集まり、全国で活動しているプロフェッショナルチーム。
ヘアカット・ヘアケア・縮毛矯正などの悩みを抱える女性たちを中心に、年間5,000人以上のお客様のヘアスタイルを担当。
『あなた以上に、あなたの髪を想う』をスローガンとして、様々なプロジェクトに取り組む。
SENJYUチームは、相性が悪いとされる酸熱トリートメントとブリーチの同時施術を検証しました。
Before・After画像見る限り綺麗に見えますけど、相性悪いんですね?
相性が悪いので、酸熱&ブリーチの同時施術を成功させるには、色々と気を付けるポイントがあるのです。
今回は、酸熱トリートメント年間3000人担当するSENJYUチームが、酸熱&ブリーチの同時施術について詳しく解説します。
目次
酸熱トリートメントとブリーチの相性が悪い理由
なぜ、酸熱トリートメントとブリーチの相性が悪いのか?理論的に説明させて頂きます。
酸熱トリートメントは「酸性」
ブリーチは「アルカリ性」
酸性とアルカリ性は、相反する成分同士と言うことを覚えて下さい。
髪を酸性とアルカリ性に傾けると負担がかかる
- 髪のPH値は5前後の弱酸性
- 酸熱トリートメントのPH値は3~4の強酸性
- ブリーチのPH値は11~12強アルカリ性
まず、ブリーチを行うと髪は急激にアルカリ性に傾きます。
そして、ブリーチ後に酸熱トリートメントをすると髪は急激に酸性に傾きます。
ブリーチPH値と、酸熱トリートメントのPH値を考えると 、髪のPH値が急激に変化していることが分かります。
↑PH値の急激な変化=髪のダメージだと思って下さい。
ブリーチはヘアカラーはより強いアルカリ性のため、相性最悪と言えるほど同時施術が難しいのです。
以上の理由から、酸熱トリートメントとブリーチの同時施術NGな美容室は沢山あるのです。
なるほど、でもSENJYUチームは酸熱&ブリーチの同時施術ができるんですか?
不可能ではないので、SENJYUチームが行った酸熱&ブリーチの同時施術の検証結果をご紹介させて頂きます。
酸熱トリートメントとブリーチの同時施術を検証
では、ここからが本題。
今回、酸熱&ブリーチの相性の悪さを克服するために、ちょっとしたコツを使って同時施術を行います。
すでにブリーチを2回行っている髪で、根元のプリンが目立ちます。
ダメージはありましたが、酸熱&ブリーチの同時施術が可能と判断しました。
元々のダメージが激しすぎる場合は、同時施術不可能になる場合もあります。
酸熱&ブリーチの同時施術を行う場合は必ずブリーチが先です。
酸熱トリートメントを先に行うことはありえません。
ブリーチのパワーを弱めて施術
まず、ブリーチをする際は、オキシ(2剤)のパワーを弱めます。
ブリーチをパワーを弱めることで、酸熱を行った際の負担を小さくします。
重要!ブリーチ流し&シャンプー
ブリーチ成分が髪に残っている状態で酸熱トリートメントを塗布すると、アルカリ性×酸性の化学反応を起こして、髪が熱を発してしまします。
ブリーチ後のすすぎとシャンプーが甘いと、断毛する危険性があります!
しかし、ゴシゴシ強めにシャンプーをすると、髪と頭皮を傷めてしまうので「ブリーチ薬剤」を落とすことを意識したシャンプーをして下さい。
プリンが無くなりました。
では、次に酸熱トリートメントを行います。
酸熱のパワーを弱めて施術
ブリーチと同じく、酸熱トリートメントもパワーを弱めます。
酸熱をパワーを弱めることで、アルカリ性に傾いた髪のPH値の変化を最小限に抑えます。
ブリーチ&酸熱両方のパワーを下げることで、PH値の振り幅を小さくしているのね。
トリートメントの放置時間は短め
ブリーチ毛は薬剤やトリートメントの吸収しやすいので、放置時間は短めにしました。
髪が酸熱トリートメントを吸収し過ぎると過収斂(かしゅうれん)を引き起こしてしまう危険性があります。
過収斂は、髪質が硬くなったり、バサバサ、ゴワゴワになってしまう髪の異常事態。
酸熱トリートメントを塗布した後は、専用のキャップを被せて加温を行います。
しかし、加温を行うとトリートメントが浸透し過ぎて、過収斂を引き起こす可能性があったため、そのまま時間を置くことになりました。
酸熱の重要な工程!アイロンを入れる際の注意点
酸熱トリートメントのアイロンワークはとても重要な工程で、酸熱トリートメント最大の難所でもあります。
アイロンの設定温度は本来180℃ですが、今回は髪の負担を抑えるため160℃まで下げます。
酸熱トリートメントのアイロンのプレス(挟む)は優しめですが、今回は、さらに優しいプレスで髪への負担を抑えています。
また、普段よりスライス(アイロンを入れる幅)を厚めにとっています。
以上が酸熱&ブリーチの同時施術でした。仕上がりBefore・Afterを見てみましょう。
酸熱&ブリーチの同時施術Before・After
ブリーチをした当日は、髪が弱ってしまう印象がありました。
でも、酸熱トリートメントのおかげで、ブリーチ後でも髪質がしっかりしていてびっくりです!
酸熱トリートメントを行うことで、ブリーチのダメージを帳消しにしてしまう「傷まないブリーチ」を再現できます!
(髪は傷んでいます)
酸熱トリートメントとブリーチの同時施術の注意点
やはり相性が悪いメニューなので、同時施術する際はデメリットや注意点があるので詳しく解説します。
酸熱&ブリーチの効果が弱まる
↑PH値の振り幅を小さくするために、酸熱&ブリーチのパワーを弱めて施術を行いました。
しかし、酸熱&ブリーチのパワーを弱めると言うことは、効果も弱めてしまうのです。
- ブリーチは色素を抜く力(脱色)が弱まる
- 酸熱はダメージケアの効果が弱まる
酸熱&ブリーチの同時施術をする際は、本来の力を発揮できないと言うことね。
今回の検証では、ブリーチのパワーを弱めたことで、根元がしっかり脱色されない仕上がりになってしまいました。
↑ブリーチのパワーをもう少し上げれば、新しく生えた髪との境目がほとんど目立たない仕上がりになったかもしれません。
しかし、髪のことを考えると、これ以上ブリーチのパワーを上げることはできませんでした。
パワーを弱めても髪に負担がかかる
酸熱&ブリーチのパワーを弱めても髪のPH値が急激に変化しているので、少なからず髪に負担がかかっています。
同時施術可能とは限らない
今回のモデルさんは、髪質がしっかりしていたので酸熱&ブリーチの同時施術が可能でしたが、誰でも同時施術可能とは限りません。
- 激しく傷んでいる髪
- 軟毛、細毛
- エイジング毛 など
↑弱った髪ほど、酸熱&ブリーチの同時施術が難しくなります。
美容師さん必読!難易度が高いです
酸熱トリートメントとブリーチの同時施術は非常に難易度が高いため、安易な気持ちで行ってはいけません。
先ほども述べた通り、アルカリ性×酸性の化学反応は本当に危険です。
ろくに練習もせず行うと、髪が激しく傷んで取り返しのつかない事態になるかもしれません。
今回は、入念な髪質診断と事前の練習があったからこそ成功した訳で、軽い気持ちで行うと絶対に失敗します!
自信がないと思った美容師さんは、酸熱&ブリーチの同時施術をメニュー化しないで下さい。
ブリーチ毛に酸熱トリートメントは相性が良い
ブリーチ後の髪はアルカリ性に傾きますが、その後、時間をかけてゆっくり弱酸性に戻っていきます。
そして、1週間ほど経つと髪は正常な弱酸性に戻るので、酸熱トリートメントを問題無く行えます。
ブリーチ毛に酸熱トリートメントは相性が良いので、ブリーチをして1週間後であれば、ぜひ酸熱トリートメントをしてほしいです!
まとめ
やはり、髪のことを考えるとブリーチ後の酸熱トリートメントは1週間空けてほしいです。
また、1週間空けた方がそれぞれの効果を最大限に発揮させることも可能です。
今回検証したモデルさんは、髪質診断をした結果「酸熱&ブリーチの同時施術可能」と判断したので同時施術が可能になりました。
誰でも酸熱&ブリーチの同時施術ができる訳では無いので、よろしくお願い致します。
酸熱&ブリーチの同時施術可能かどうかは、当日のカウンセリングで決めさせて頂きます。
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